お気に入りのアジサイは挿し木で増やそう

梅雨時に鮮やかな花を咲かせてきた庭のアジサイ。気に入った品種と同じものを店頭で見つけるのもなかなか難しいので、挿し木に挑戦。小さなアジサイは無事に冬を越しました。2025.3.22

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比較的簡単なあじさいの挿し木

挿し木に適した時期は

挿し木を行うには梅雨の時期から初夏のころまでで、花がそろそろ終わったころに剪定を兼ねて行うのが良く、また暑い夏が過ぎた9月頃も適していると言われています。

熱中症を起こしそうな天気の日はアジサイにとっても過酷です。そんな日は作業をしないようにしましょう。

挿し木の手順

適当な枝をカットする。花が咲いていない枝、花が咲いている枝のいずれでもよい

花がある場合は花の下、花がない場合は頂部の葉の下あたりをカットします。
その下の葉2枚を残し、残りも手で取り去ります。

葉は2枚を残し残りはカット。2枚の葉はそれぞれ半分にカット
2枚の葉を残して半分にカット、他の葉はすべて取り去る(2024.7.19)

茎の下部を斜めにカットし、葉も半分にする

茎の下部は切れ味のいいハサミなどで斜めにカットします。切り口がギザギザになると細胞がつぶれて吸水能力が落ちてしまいます。

また、葉を半分にして葉からの蒸散量を少なくし、茎の低い吸水能力をカバーします。

以後このカットしたものを挿し穂さしほ(または挿し木さしき)と呼びます。

他の植物でも移植するときは根を痛めてしまうことが少なくありません。

そのため根からの吸水力低下を考慮して、葉からの蒸散量とのバランスを取るために葉の一部をカットします。

吸水面を大きくするため、切れ味のいいハサミなどで斜めにカットする

挿し穂は種類ごとに分けて(複数の種類がある場合)水につけておく

あらかじめコップに水を用意しておき、カットした挿し穂を入れて1時間ほど吸水させます

アジサイの種類ごとに分けました

挿し床をつくる

鹿沼土などの栄養のない土で挿し床を用意しておきます。肥料成分があるとカビなどの原因となり、未熟な挿し木にとってストレスになります。

また、いきなり挿し穂を土に挿し込むと切り口が痛むので、まず割りばしなどで穴をあけます。

なお、「1つのポットには挿し穂1本」とすることにより、ポットから取り出して地植えする際に根を痛めることが少ないように思います。

割りばしなどで穴をあけます

挿し穂をそっと挿し込む

割りばしであけた穴に挿し穂を挿し込みます。前回は切り口に発根促進剤(ルートンなど)を塗ったのですが、今回はしませんでした。

挿し穂の切り口が痛まないようにそっと埋めます

明るい日陰に置く

午前中の短時間は日に当ててもいいでしょう。あとは明るい日陰に置いておき土が乾かないように注意し、時々葉に霧吹きをします。

2週間後の姿 根が成長していれば葉は元気(2024.8.1)

葉が枯れなければ根が成長していると思われる

概ね1ヶ月ほどで発根すると言われています。茎元を持って揺らしてもぐらつかずに安定しているようであれば大丈夫でしょう。

発根していないと簡単にすっと抜けてしまいます。

でも早いうちから挿し穂を抜いてまで発根を確認するのは根を痛めて失敗する原因となります。

さあ、地植えしよう

時期は休眠期が良い

前回は発根を確認したらそのまま地植えした記憶があります。挿し木をしてから2ヶ月ほどたってからのことでした。

一般に地植えは12~3月の休眠期が株に与えるダメージが少ないようです(寒冷地では2月下旬を過ぎてから)。

今回は地植えする場所を整理しているうちに年が明けてしまいました。

地植え直前の挿し穂
地植え直前の挿し穂の状況(2025.1.3)

挿し穂は途中で枯れてしまったものもあり9つから6つに減っていました。

残りも葉は色あせていますが、ちょうど休眠期なのでこんなものでしょう。

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根の張り具合

今冬一番の冷え込みもありましたが、大寒のころから急に暖かくなったので急いで地植えにとりかかりました。(1月22日)

下図は挿し穂をポットから取り出したところです。

根の張り具合
挿し穂の根の張り具合

長いこと放っておいたのでポットから出した時の根は長く伸びていましたが、びっしりという感じではありませんでした。

大寒後の暖かい日に2つほど地植えしました。でも寒さがぶり返すこともあるのでしっかりと布団(落ち葉)をかぶせました。

地植えによりのびのびと根を伸ばしてくれることを期待します。

地植え直後
地植えしました。しっかり根が付きますように。(2025.1.22)

無事冬を越しました

下の画像は地植えしたアジサイの一部で、桜の開花が間近に迫った最近撮ったものです(3月22日)。

3月22日現在の様子
緑色も鮮やか
3月22日現在の様子
これでもしっかり生きています

3種類のアジサイから挿し穂を作ったのですが、どれがどの種類だったのかは今となっては記憶があいまい。まあいいか。

(おわり)

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