新たに学び始める方も学び直しの方も
タレントの麻木久仁子さんも在学中
タレントの麻木久仁子さんが6月21日放送の「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演し、昨年60歳で放送大学に入学したことを語りました。
麻木さんは学習院大学法学部を中退しており、40代後半から経験した脳梗塞と乳がんで「健康」について学びたいと思ったことがきっかけだそうです。
六十の手習い
六十の手習いという言葉があります。手習いと言うのは毛筆で仮名や漢字を書く練習をすることなのですが、学問や習い事をするのに年齢制限はない、いつ始めても遅すぎることはないということです。
そう、七十でも八十でも構わないのです。決して今更などと思うことはありません。
高校を卒業したばかりの方ももちろん多くいらっしゃいますが、年齢を重ねた今からでも遅くはないということを強調いたしました。
勉強したいと思った今こそチャンス。難しいと思ったことでも始めさえすれ半分は達成したようなものだと言うではありませんか。
韓国にもこんなことわざがあるんだ。
시작이반이다 (始まりが半分だ)
いくつになっても自宅で学べる放送大学
さてわが国には放送大学という通信制の大学があります。
放送大学とは法律に基づき1983年に設置された通信制の正式な大学で、地域を問わず様々な年代、職業の方が学んでいます。
大学卒業資格(学位)の取得を目指すだけでなく、私のように選科履修生として興味のある科目だけを学んでいる学生もいます。それぞれキャリアアップや生涯学習、資格取得など目的に応じた学び方ができます。
受講の方法は…
講義はBSデジタル、インターネット、各地の学習センターでの専用視聴端末による学習ができます。また学習センターでは放送授業の再視聴ができるほか、面接授業もここで行われます。
BSデジタルはその時間に視聴するか録画が必要ですが、インターネットはいつでもOKですからとても便利です。
大学にはこれら放送の他に「印刷教材」と言っているテキストが別途あります。(大型書店でも手に入ります。)
また正式な学生として学生証が発行されるため、各種学割が適用されます。ただし全科履修生以外は学習センターまでの通学定期は無理。ほかにも全科履修生限定だったり年齢制限があったりします。
いつでもどこでもいくつになっても自由に学べる
私自身若い頃を思い起こせば本当は歴史を専攻したかったのですが、就職のことを考えると当時は景気が良かったこともあり技術系に進学、就職したのでした。
就職してからは本当に興味があったものでも、それが仕事とはかけ離れたものであればどうしても後回しにせざるを得ませんでした。
それで定年退職を機に放送大学に入学したのです。少しずつですが、かねてから学んでみたいと思っていた科目に取り組んでいる現在、充実した毎日を送っています。
履修コースについて
放送大学は「教養学部教養学科」のみの単科大学です。
コースは次のとおり6つあります。
- 生活と福祉コース
- 心理と教育コース
- 社会と産業コース
- 人間と文化コース
- 情報コース
- 自然と環境コース
学生種と学費
学生種は3つあります
◆ 全科履修生
◆ 選科履修生
◆ 科目履修生
全科履修生は最長10年間在籍できます。
また選科履修生は1年間、科目履修生は半年間在学し、興味のある科目を選びます。
選科・科目履修生が全科履修生に再度入学した場合には、修得した単位は自動的に引き継がれ、卒業に必要な単位として認定されます。
ただ私の場合は卒業を目指しているわけではなく、好きな科目だけを選んで学ぶ選科履修生(1年間在籍)ですので、上のコースにこだわる必要はありません。
大学卒業の資格が欲しい方はもちろんのこと、既に他の大学を出ているけれど専門外の勉強もしてみたいという方にもお勧めです。
大学院(修士課程)のコースもあります。
教養学部 入学料・授業料
入学料(学生種によって異なります)
授業料
放送授業 | 1科目(2単位) | 12,000円(テキスト費込み) |
面接授業 | 1科目(2単位) | 6,000円(テキスト費別) |
オンライン授業 | 1科目(1単位) 1科目(2単位) | 6,000円(テキストなし) 12,000円(テキストなし) |
時代の先を行く放送大学のオンライン授業
2020年初めの頃から我が国でも広がりだした新型コロナウイルス感染症-COVID19。
全国の大学でも対面式の授業は控えられ、多くの大学で在宅によるリモート授業がメインとなりました。
某私大に通う私の息子の話では、教授たちもビデオカメラの前で講義する形式には慣れていないこともあって、当初は講義そのものが非常に分かりにくくなっている側面もあったようです。
教授の方々も講義の仕方にはいろいろ工夫されたようで、その後はかなり改善されたそうです。(京都某私大事務局担当者)
その点においては放送大学は最初からオンラインによるものなので、指導陣側の講義スキルについても、他大学には追随を許さないものがあるのではないでしょうか。
自分の専門外のことが理解できると嬉しい
自分が専門としていることは知っていて当然。それ以外の知らなかったことが徐々に理解できてくると、自分が若い学生の頃とはまた違った嬉しさを感じてしまいます。
私自身放送大学でこれまで学んだ科目は、文学、歴史、社会福祉、宇宙、国際問題などなど、節操がないほどあらゆる分野に渡っています。
私の場合、将来の就職がかかっている若い人たちとは違い、「専攻」などというものにこだわらない、好きなものを好きなだけ学べるという醍醐味がありました。
まさに生涯学習としての最大の魅力かもしれませんね。
学習の形態
学習形態は学習センターでの自習、センターが貸し出ししているビデオ等、テレビ(BS)、放送授業のインターネット配信(ビデオ、音声)による自宅学習等々選択肢はたくさんあります。
学生は年配の方ばかりかと思っていたら結構若い方もいます。
30代くらいの男性が全科履修生として卒業していたのには感心しました。仕事でも一番忙しいときのはずですから。
通学生であれば周りに他の学生もいて、何とかそれなりについていけるものですが、このような通信制の場合は本人次第。相当な努力が必要です。
単位認定試験は7月下旬と1月下旬です
半年を1学期として年間2学期制です。そして当然試験(単位認定試験)が学期ごとにあり、1学期は7月下旬、2学期は1月下旬です。単位認定試験は一部の科目を除いてWEB受験となります。
そして各学期ともその前に通信指導というものがあり、それぞれ5月中旬頃および11月中旬頃となっており、単位認定試験のような内容で回答をマークシートに作成し郵送またはインターネットでの提出となります。
中間テストみたいなもので、これを通らないと単位認定試験が受けられません。その場合(あるいは単位認定試験が不合格の場合も)はそのまま次の学期にまた学習し、通信指導を提出したうえで次の単位認定試験を受けられます。授業料はあらためて納める必要はありません。
ただし、科目によってはインターネット提出のみ或いは通信指導、単位認定試験そのものがないものもあります。
放送大学のほかにも学習意欲さえあれば学ぶ手段は多い
意欲さえあれば放送大学だけではなく他にもいろいろな方法があります。
特におすすめなのが無料で学べるオンライン講座「gacco」。
これも著名な先生方が担当されている魅力いっぱいの講座。
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(終わり)
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