防犯だけにあらず
ガーデンライトでお庭にアクセントを(後編)
~ 自由なレイアウトで ~
市販の部品を使ってより自由なレイアウトを…
前ページでは決まった長さの既製品ケーブルを使用したためレイアウトが不自由でしたが、ここでは市販のケーブルで自由なレイアウトをしてみたいと思います。
難しいことはありません。ケーブルはまとまった長さを購入し、必要な長さに切って被覆を剥いてつなぐだけ。必要な個所の数だけ行えばいいのです。
専用コネクタは使わない
レイアウトが決まったらライト付属の専用コネクタは切り落とします。(専用コネクタはとても便利なので、もちろん使えるところは使った方が良いです。)

切り落とした専用コネクタは、電源部やジャンクションと直接接続する箇所では使用できます。
レイアウトが完了するまでは捨てないで保管しておきましょう
使用するケーブルについて
キャブタイヤケーブル

ホームセンターなどで上の写真のようにケーブルがドラムに巻かれて量り売りされているのをご覧になったことがあるかもしれません。
キャブタイヤケーブルは2本或いは3本の電線をさらにビニルやゴムで覆ったものです。
電線の太さも各種あります。流れる電流が少ないですから、この中で一番細いものでも大丈夫です。
ビニル平行コードは使わない

ご家庭でテーブルタップなど電気製品の接続によく使われているポピュラーなものです。ただしこれらは屋内使用のものなので、電線管というもので保護したとしても使うべきではありません。
必要なら電線を保護しよう(必ずしも必要ではありません)
キャブタイヤケーブルはそのまま地面に這わせても構いません。10年20年は問題なしと言われています。
しかし、次に述べる電線保護管を使わず電線を地べたや花壇の草の裏あたりに這わせた場合、ネズミにかじられるとか、庭の除草作業中に誤って切ってしまうなどということもあり得ます。
スパイラルチューブやコルゲートチューブといった電線保護チューブを使うという方法もあります(後から取り付けられます)。
ここでは手軽に使えるコルゲートチューブというものを使ってみました。
このチューブにはスリットが入っていて、電線をそのスリットに押し込むようにして被せて使うものです。
被せるためにコルゲートチューブ用挿入工具なるものを使用します。この工具無しで被せるのは困難です。
値段は500円前後と安価ですがとても便利です。
コルゲートチューブにケーブルを通す短い動画を作りました(音声なし)

チューブも工具もサイズは各種あるので確認してね。
接続部は箱に入れて保護した方が良い
ケーブルの接続には下図のような差込型のコネクタが便利です(使い方は後述します)。
ただし野ざらしはいけません。電気工事でよく使われるボックスに納めましょう。
電線同士の接続はこのコネクタが簡単
ジャンクションボックス:接続部分をこの中に収容します


可とう電線管
可とうというのはフレキシブルという意味です。
キャブタイヤケーブルは、本来屋内や屋外で手荒な扱いをする場所や水気のある場所で利用されるものなので保護管など必要ないのですが、自然環境だけがリスクではないので、可とう電線管(又は可とう菅)という保護管を使ってみました。
これは金属パイプなどと違って自由に曲がりますので、保護管として設置が容易なのです。


可とう電線管は上の写真のように色で分けると2種類あり、右側の灰色の管がPF管と言って対候性があり、屋外での使用に耐えます。価格はCD管よりも幾分高めです。
左側のオレンジ色のものがCD管で、通常コンクリートに埋めて使うものです。これを屋外の紫外線が当たるような環境で使うと、10年もたたないうちにボロボロになってしまいます。
天井裏や壁の中など紫外線が当たらないところに使う業者さんもいるようです。価格はPF管に比べると安いです。
まあ、オレンジのケバイ色ですから、それだけでも人目に付くところで使う気にはならないと思います。オレンジ色にしたのもそのあたりを考慮してのことかもしれませんね。
可とう電線管をPF管コネクタを使いボックスに接続
ここでは屋外で使用しますので、特にコンクリート埋設で使用するというのでなければ、PF管を選んでください。なおこの可とう電線管は必ず接続箱につなぐことにします。
この可とう電線管にケーブルを通してそのまま地べたに這わせても保護にはなりますが、両端のすきまから内部に雨水が入ったり土やごみや虫が入ったりで、環境としては必ずしもいいとは言えないでしょう。
やはりケーブルの両端はしっかりと閉じておいた方がいいです。可とう電線管を接続箱に接続すれば、その中でケーブルの接続をした際の保護もできます。可とう電線管と接続箱の接続にはPF管コネクタを使います。






なお、これら可とう電線管もPF管コネクタもその内径により14ミリ、16mm、22ミリといったように種類があります。16mmが使いやすいかと思います。(ただしこのサイズではローボルトライト既成のコネクタ部分は通りません)。サイズはMFSK-16GSとかPF16といったように製品の表面に記載があります。
ケーブルを可とう電線管に通す
可とう電線管にケーブルを通すのですが、可とう電線管とケーブル被覆との摩擦のため、長さが概ね3、4メートルを超えると、いくらケーブルを押し込んだところで入っていくものではありません。
こんな時に登場するのが通線ワイヤーというものです。
通線ワイヤーとは
通線ワイヤーとは、可とう電線管に電線やケーブルを通すために使う道具です
ワイヤーの一方にケーブルをつなぎます。途中で引っかからないように接続箇所はビニルテープで滑らかにまとめます。接続が甘いと、引っ張ったときに外れる可能性もありますので注意。




当然通線ワイヤーは、ケーブルを通したい配管の長さより長くなければなりませんね。通線ワイヤをゆっくり曳いてケーブルを引き出します。
可とう電線管を使わない場合はゴムブッシュで保護
可とう電線管を使わずそのままケーブルを収めたい場合は、接続穴の縁でケーブルが痛まないようにゴムブッシュを入れて保護します。
ホームセンターでも1袋2個入りなどで購入できます。
ゴムブッシュにはナイフで切り込みを入れてケーブルを差し込みます。


ケーブルの両端に端子を付ける






線と線をつなぐときはどうしますか。両方の線をクロスしてねじって終わり? はんだ付けするの?
接続は圧着端子に両方のケーブルの芯線を一緒に差し込んで圧着ペンチで加締(かし)めるのが一般的ですが、芯線を差し込むだけで固定される(抜くときは芯線を左右に回しながら引く)とても便利なものもあります。
クイックロック差込型などといいます。これを使う場合は圧着ペンチも要りません。
ただしケーブルの心線が撚り線の場合は差し込みができないので、先端に棒形の端子を取り付けてコネクタに差し込んで接続します。
直流なので+-がありますが、ショートさえしなければ特に極性を気にする必要はありません。
【参考ビデオ】差込型電線コネクタの安全な使用法(オーム電機株式会社)
次の動画は音が出ます。ご注意ください。
その他参考
● 最大接続可能ライト数について
専用の電源ユニット「ローボルト専用コントローラー36W」は、仕様では消費電力最大24.5Wとあります。このシリーズで使用されているLEDの消費電力は約0.5Wですので、ライト40基は余裕で使えますね。
ただ、我が家の場合は最初に門柱に付けた旧モデル(フィラメント球が1個当たり10W)のライトが混じっているので注意が必要でした。


(おわり)
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