洗面・脱衣所に適した暖房機の選び方

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2年前のこと、寒い我が家の洗面脱衣所に遠赤外暖房機を設置しました(上の画像↑)。
よく見かける「すぐポカポカ暖まる」というレビューは本当なのか。
あらためて脱衣所用の暖房機について考察してみたいと思います。購入を検討されている方が少しでも参考になれば幸いです。

目次

二つのタイプの「暖かさ」 ここがポイント

暖かさの感じ方には大きく二つのタイプがあると考えています。

  1. 周囲の空気の暖かさを身体全体が感じるもの
  2. 気温とは無関係に熱源から直接熱線を受けることにより皮膚が感じる暖かさ

この二つを押さえておくことが用途や場所に応じた暖房器具を選択するポイントとなります。

この違いをそれぞれ検証するとともに使用した場合の状況を独断と偏見を持ってシミュレーションしてみます。

1 周囲の空気を暖めるタイプ-エアコン、セラミックファンヒーター、石油ファンヒーター-

これはエアコンとか灯油ストーブなどにより空気(やがては壁や床も)が暖められ室内ほぼ全域が暖かい、或いは少なくとも寒くはないと感じられるものです。

こんな感じ…その1 居間のエアコン

冬の寒い日の夕方帰宅した。家族そろって出かけていたので家の中はすっかり冷え込んでいた。さっそく暖房を入れる。

ヒートポンプ式エアコンは熱が溜まるまでしばらく時間がかかる。ファンヒーターも最初のうちは寒い風が出るだけ。それでも徐々に室温も上がりだし20分もすれば12℃だった室温が20℃になった。

やがて室温は25℃程度で安定。暖かい空気は天井付近に溜まるが比較的暖かさにムラが無く、顔だけ暑くて背中は寒いなどということもまずない。

灯油の方がコストが低いと言われてきたが、最近のエアコンは省電力型が多く長時間運転でも経済的だ。

室内全体が暖かい居間
周囲の空気、壁、床などがくまなく温まっている

立ち上がりに時間がかかるけど、居間は全体がムラなく快適な室温だ

その代わり廊下やトイレは寒いまま。全面床暖やセントラルヒーティングだと家中ほとんど温度差がない環境にできるんだが、コストがなあ。

あまり使わないところも暖房するっていうのは無駄な気がするけど…

高断熱で家全体を魔法瓶構造にすれば年間を通してエネルギーの無駄を抑え、室温差の少ない居住環境を維持することは容易。
2022年4月「省エネ・断熱」の義務化が閣議決定されています。

2 熱線が直接皮膚に作用する暖かさ-グラファイトヒーターなど-

冬の戸外ではしっかり着込んでいても顔や首筋、手足はやはり寒いものです。そんな中で松飾やしめ縄などを燃やすどんど焼の火や木枯らしの吹く中で取り囲むたき火の火。これらの火にかざした手や顔がすぐに感じる暖かさは忘れられません。

太陽の日差しも同様ですね。一時雲に隠れていた太陽が再度姿を見せたときに感じる顔や手に感じる暖かさはほっとします。

しかし周囲の空気が暖まったわけではありません。相変わらず冷たいままです。でも顔や手は暖かさを感じます。遠赤外線が直接皮膚に作用して暖かさを感じさせるのです。

こんな感じ…その2 脱衣所の速暖暖房機

さあ風呂に入ろう。浴室入り口上の壁に取り付けた遠赤外暖房機をリモコンでスイッチオン。オレンジ色に輝くヒーターから直接放射される遠赤外線でたちまち顔や手に暖かさを感じる。急いで浴室へ入る。人感センサーの働きでヒーターは1分後に自動停止。

このヒーターのありがたみは風呂から上がる時によくわかる。すぐに人感センサーが働いて頭上から熱線を照射して暖めてくれるので、リモコン操作にモタモタしなくていい。

浴室から出る前に手や足をちょっと出せばセンサーが反応して早めに運転を開始させることも出来る。

熱線を直接受けている首回り、肩などはぽかぽかと温かい。

でもヒーターから遠い足元はまだちょっと寒いかな。空気は冷たいままなので、例えるなら寒空の戸外でたき火に当たっているような感覚。

バスタオルで身体を拭きながらさっさと服を着る。服を着終えると今度はヒーターが暑く感じてしまいスイッチを切った。

たき火と陽だまり
熱線(遠赤外線)が直接肌に作用して暖かく感じる

常時いる場所ではないので必要な時だけ暖房するのは合理的だね。

そうね。そして必要な時にはすぐに暖めてくれるならOK!

寒い脱衣所は風こそ吹かないものの冬の戸外のようなもの。
長く滞在するのであれば居間のようにエアコンやファンヒーターなどで暖房したほうが快適。
しかし通常脱衣所にいるのはごく短時間なんですよね。

寒い脱衣所に相応しい遠赤外線方式

洗面脱衣所が家の中で一番寒いところなら、上で述べたように必要な時(入浴の前後)にできるだけ早く暖まることが最重要であり、遠赤外線方式の速暖暖房機がもっとも相応しいでしょう。ただし…

「速暖」といっても部屋がたちまちポカポカになるわけじゃないんだ。遠赤外線が当たる皮膚がすぐに暖かさを感じるということ

それでたき火にあたっている感じといわれるのね

裸でいるところだからすぐに暖めてくれるのは助かる

入浴の前後を極短時間でサポートしてくれる感じかな。
脱衣所全体を暖めるのならエアコンの方が勝っている。
時間が掛かるけど。

遠赤外線ヒーターも発熱体により種類がある

我が家ではオール電化ということもあり暖房機も電気式以外の選択は頭にありませんでした。

しかし街中の量販店に行くと同じ電気式暖房機と言っても発熱体によっていくつかの種類がある上に同一タイプでも価格はピンからキリまで幅があります。

冬を前に勢ぞろいの暖房機
冬を前に量販店には各種暖房機が勢ぞろい

またメーカーによって暖房方式に思い思いの名称がついていたり、「速暖」とか「0.5秒」などの表記の違いが分かりにくいものもありますので、まず次のようにおおまかですが発熱体の違いで分類してみました。

  1. グラファイトヒーター
  2. シーズヒーター
  3. ハロゲンヒーター
  4. カーボンヒーター

遠赤外線とは・・・
地球上の物質は全て遠赤外線を発しています。その中でもカーボンやセラミックというものは遠赤外線の量も多く、加熱することにより強烈に発します。
発熱体の種類によってそれぞれ速暖性などに違いがあります。
遠赤外線が当たっている物体、例えば皮膚や壁、床などが暖まり、やがては周囲の空気が暖まるのですが、初期には暖房の範囲が限られます。

① グラファイトヒーター(一番のお勧め)

壁上部に設置された暖房機

写真は我が家で採用したもの。グラファイトとは黒鉛のことで炭素材料の一種です。

【特徴】

  • カーボンヒーターより赤外線の照射量が多い
  • 熱の伝導率が高いので立ち上がりが0.2秒と断トツ早く暖まりやすい
  • 放射範囲が狭いので部屋全体を暖めるのには向かない。
  • ヒーターが赤く輝いて眩しい

脱衣所は床にいろいろ物を置いていることが多いことや、この機種は夏季期間は涼風運転機能もあることから、脱衣所限定として壁取り付けタイプがお勧めです。

② シーズヒーター

発熱体はニクロム線を金属体のシース(さやのこと)で覆った構造になっています。

そのためヒーターは真っ赤に眩しく光ることが無いので、就寝時などに安心感はあります。価格は少し高めです。

石英管は割れる事がありますが、シーズヒーターは金属管なので破損が大幅に少なくなります。

この金属管にコーティングしているものの違いによって各メーカーがそれぞれ商品名を付けているようです。

一次的に脱衣所で使った遠赤外線ヒーター

写真は居間で使用しているコロナ製のシーズヒーター。以前は妻がこのシーズヒーターをその都度脱衣所まで運んで使っていました。

【特徴】

  • 暖かさや耐久性などの性能が高い
  • 光り方がやさしいので眩しくない
  • 立ち上がりが遅く暖かくなるまで5分くらい要する

長時間連続運転するのであればエアコンの方が経済的

ここまで実際に我が家で使用しているものを2種類ご紹介しました。
以下のハロゲンヒーターとカーボンヒーターについてはメーカーの情報を参考にして記述しました。

③ ハロゲンヒーター

文字どおりハロゲンランプを発熱体とする暖房機器です。厳密に言うとハロゲンランプは近赤外線の割合が多いようです。
能力は低めですが速暖性があり低価格です。

④ カーボンヒーター

植物性炭素繊維(ガラスクロス)に電気を流して暖める暖房機です。
この植物性炭素繊維の赤外線放射量はハロゲンヒーターの約2倍といわれていますが、グラファイトヒーターやシーズヒーターよりは遠赤外線効果は薄めといわれています。
しかし立ち上がりは数秒とシーズヒーターよりも早く、値段も手ごろで種類も一番多いように思います。

⑤ ハイブリッド型(カーボン+シーズ)も登場

カーボンヒーターの速暖性とシーズヒーターのパワー及び堅牢性を兼ね備えたハイブリッド型も見つけました。

カーボンとシーズのハイブリッド型ヒーター

製品の形を見ても発熱体の種類はわかりにくいです。説明書を見て確認する必要があります。

気になる電気代は?

 各電力会社及び料金プランによって若干異なりますが、取扱説明書記載の仕様から抜粋した内容及び九州電力のプラン(電化でナイト・セレクト)によると概ね次のようになります。

600W(弱)約16.6円/時間
600W(強)約16.7円/時間
1200W(弱)約32.8円/時間
1200W(強)約32.9円/時間 (速暖効果を感じるにはこのくらいが必要)
涼風(強)約0.54円/時間
2022年9月19日現在、上表より0.5円程度低いです。

例として、消費電力700Wのエアコンは約18.9円/時間

1時間あたり30円超などと言うとずいぶん高いような気がしますね。でもエアコンのように長時間使用することは少ないので結果として電気代は抑えることが出来ます。

自分でできる本体の取り付け

私は通販で購入したので設置は自分で行いました。店頭での購入ならエアコンのように店側が工事をしてくれるかもしれません。

【本体取り付けのポイント】
本体の裏側に付いている金属プレートを受け止めるためのもう一つの金具1枚を4本の木ネジで壁に取り付けるだけです。
ただし下地が無いとかボード(木ねじが効かない)などの場合は土台としてボードアンカーを埋める必要があること、近くにコンセントがあることが条件です。

本体背面の取り付け金具
元々付いている本体裏の金具
壁側取付金具
本体を受け止める金具を壁に取り付けるだけ
壁に取り付けた金具に本体を取り付ける
本体裏の金具を壁側の金具に引っ掛けて設置する
石膏ボードにアンカーをねじ込む
壁に下地が無い場合はボードアンカーを埋め込んで土台とする
アイチキャッチ画像として設定
本体を壁に取り付けた状況

暖房機本体は意外に軽く(3.7kg)、取付工事は一人で十分可能です。

本体付属の電源コード長は2.5メートルです。この範囲内に壁コンセントが必要です。テーブルタップで延長するのは止めましょう。

急激な温度差で起こるヒートショック

● ヒートショックとは

浴室やトイレは家の北側にあることが多く寒いと感じる場所の上位に上がりますが、脱衣所は裸になるところでその直後に熱い風呂に入るのはとても危険と言えるでしょう。これをヒートショックといいます。

2018年のデータですが、交通事故による高齢者(65歳以上)の死亡者数が1,966人であったのに対し高齢者(同)の入浴中の死亡者数が4,900人だそうです(警察庁・消費者庁)。

ただ入浴中の事故には転倒なども含まれるため必ずしもヒートショックによるものではないのですが、交通事故の死者数が減少しつつあるのに対して入浴中の事故が年々増加傾向にあることには注目しなければなりません。

● ヒートショックを防ぐためにはその他の工夫も

脱衣所、洗い場、浴槽間の急激な温度変化を小さくすることが大事です。

浴槽にはお湯という熱源もありますので、入浴前にお湯を洗い場に撒いたり浴槽の蓋を外しておいて湯気を充満させるなども効果的な方法です。

また家族ができるだけ間隔を空けないで入浴することも浴室内の温度を維持するとともにエネルギーの無駄を省くことにもつながります。

実際に使ってみた感想

寒いけれど暖かい

寒いけれど暖かい? どういうこと?

暖房機を設置した年の末に2ヶ月ばかり室温と暖房の状況(感覚的なものですが)をメモしておりました。概ね次のようなものです。

期間中の脱衣所の室温は10℃から18℃くらいの間でした。風呂に入る時はさほど気にはならないのですが、浴室から出たばかりは体が濡れているのでかなり寒く感じました。こうなると18℃も10℃も変わりません。

この時に頭上から照射してくる熱線は本当に暖を感じさせてくれます。まさに雲の隙間から姿を現したお日様の陽射しのようにです。ただその範囲はごく狭くせいぜい肩から背中の上部のあたりまでです。

この時の感想はいわば「寒いけれど暖かい」といった感じなのです。そう、既述のとおり寒い戸外で寒い寒いと言いながらたき火の前で「あったかいねー」という感じです。さっさとバスタオルで身体を拭き服を着ます。

服を着てしまえばその後はお風呂で暖まった体の暖かさが戻ってきて、今度は逆にヒーターが暑すぎて切ってしまうといったことはしばしばありました。遠赤外暖房機はこの服を着るまでの短い時間を強力にサポートしてくれます。

浴室用として見た目にほとんど同じ製品(SDG-1200GBM)があります。防水・非防水の違いのほかに感電防止用アース線の有無などが異なります。詳細は記事末のQ&Aをご覧ください。

ひどい冷え込みの時はちょっと工夫も

室内の空気がかなり冷えきっている状況では、「立ち上がり時の速さ」だけではちょっと太刀打ちできないでしょう(部屋がちょっと広い場合)。

衣類を着終えるまでの短時間のことですが、ある程度前もって暖房機を作動させておくことも必要でしょう。

遠赤外暖房機 Q&A

自宅で使っている遠赤外暖房機について、良く見るレビューなどを参考にいくつか Q&Aにまとめてみました。

ONにしてから作動するまでの時間は

1秒もかかりません。むしろ風呂からあがる際にリモコン操作の方に時間がかかるかもしれませんね。人感センサー機能を使えば浴室から手や足を出すだけで作動します。

脱衣所全体が暖まるのですか

温風を吹きだす方式ではなく遠赤外線が照射された身体や壁、床などの物体が熱を持つもので、その放射範囲も比較的狭い範囲です。

時間を掛ければいずれ部屋全体も暖まりますが電気代がかかりすぎます。長時間運転ならエアコンやファンヒーターの方が経済的です。

「速暖」っていうけど実際はどうなの

「速暖」とはいえ部屋全体があっという間にポカポカになるはずはありません。それを望むならば火災を起こしてしまうほどの熱を短時間で加える必要があるでしょう。

本文中にも記載したように時間をかけて空気を暖めるのではなく、遠赤外線が直接身体に作用して非常に短時間で暖かさを感じさせる方法なのです。まさに日差しを感じるように。

脱衣所と同様浴室内にも似たような暖房機があるといいんだけど…

防水タイプになります。メーカーはいくつかありますが、壁掛けタイプで同じメーカーの製品のリンクを次に記します。ただし浴室内なので電気工事が必要となります(浴室内に壁コンセントはないから)。

(おわり)

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