新しい年を迎えました。
電動耕運機で一気に畑を耕しました。
畝10本程度を1時間足らずで終了しました。
「手作業で耕すのが趣味なのだ」ということでもなければ、家庭菜園であっても機械の助けを借りるのは合理的でしょう。
フル年金生活に入ってから家庭菜園に費やす時間が大幅に増えました。しかし鍬1本での耕作がしんどく感じられるようになったのも事実です。
手入れが良くできていない土は鍬で耕したあとそのまま塊として残ります。土の塊を細かく砕くのは大変。バクテリアが活躍するまでにはまだ時間もかかります。
家庭菜園に耕うん機?
家庭菜園向けに小型の耕うん機が販売されているのは以前から知ってはいましたが、価格は安いものでも5、6万円はするんですよね。
ただ、鍬を使って手作業で起こしただけの土というのは塊がそのまま残っていることが多く、ウォーキング中に見かける農地のサラサラふかふか土壌などとは比べようもありません。こんな時は耕うん機の回転刃で土の塊を粉々にできたらなあという思いはありました。
ウォーキング途中で農家の畑を観察することがあるけど、いつ見ても立派だね
更にもうひとつ。地中広く根を這わす弦状の雑草には手を焼いておりました。実家が農家という知人の話では、そんなもの耕うん機で根こそぎガリガリとやればしばらく大丈夫だよと言う。
その言葉もあって家庭菜園でもやっぱり耕うん機があった方が良いかなと徐々に気持ちが変わってきたのです。
電動耕うん機なら1万円代から
たかが家庭菜園ごときになどと思いながら、電動であれば1万円代で耕うん機が買えることを知り、俄然興味が湧いてきました。
充電式の刈払機(草刈機)を以前から使用しており電動式に抵抗はありませんでしたが、耕うん機の場合パワーが十分なのかというのが少々気になりました。でも自家用車もモーターで動かす時代です。すぐに購入を決めました。
宅配便で到着
注文してから3日ほどで到着しました。組み立ては簡単。10メートルの延長電源コードが付属しています。
手持ちのドラム延長コード(20m)とつなげば、屋外コンセントから30メートルの範囲内で作業ができることになりました。
軽くてパワフル
両手をハンドル部分に置かないと始動できない安全構造
左手でボタンを押しながら右手でレバーを握ると始動します。
両手をハンドルに置かないと始動しないのは安全のためなんだ
回転は非常にパワフルです。前進する方向に回転しますのでポンポン跳ねるような感じで進もうとします。土地が硬いほど跳ねるようになります。
ここで前進を引き留めるようにレバーを押さえると、刃は同じところを掘り土に潜るように耕うんします。そのまま少し後退気味にさせると更に深くえぐりながら掻いていきます。
耕すだけではなく土塊を細かく丁寧に砕いてくれます。短い根っこなら同様にバラバラ。
耕うん機を前後させながら畝を1本終わらせるのですが、家庭菜園程度ならあっという間ですね。今までの苦労は何だったのかと思うほどです。
連続運転は30分程度
取説にもあるように連続運転はせいぜい30分が限界です。メカ部分の温度上昇でサーモスタットが働き停止するからです。
土が硬めの場合や駆動軸に根が絡みついて負荷が大きくなった状態では、連続運転時間はさらに短くなるでしょう。
でも家庭菜園ならこれでも十分ではないでしょうか。長さが6、7m程度の畝であればものの2、3分で終わってしまいます。サーモスタットが働いて停止しても、休ませて温度が下がれば再運転は可能ですから、その間は別の作業をしましょう。
電動耕うん機の敵は小石と草の根
草の根っこがきつく絡みつくと止まることがあります
取説には使用前に草の根を除去しておくこととあります。雑草の根っこの状態によっては大丈夫かもしれませんが、結構このような感じで根っこが耕うん機の車軸等に絡みつき、最後には抵抗大となって停止してしまいます。
冒頭で知人が私に言った「弦状の根っこも耕運機で根こそぎガリガリと…」とはいきませんでした。
雑草で覆われた畑
上図は1年間放っておいた畑で一面雑草に覆われています。耕うん機で一気にガリガリやりたいところですが、既述の通り車軸にかなり絡みついてしまいます。
この程度の規模であれば根切り鎌を使ってコツコツと除去するのが一番確実です。
長めの根っこには特に弱いなあ
「手作業でやるの~」と思うかもしれませんが、雑草は1つの根から広がっていることが多く、一面雑草に覆われていても根の数からいうと思ったより少ないものです。
根っこのおかげで土は結構柔らかいので耕うんの必要性はない位ですが、肥料を丁寧に混ぜるには耕うん機は有効でしょう。
あまり時間も掛からず終了しました。手が土に触れるのって気持ちいいですよ。でもちょっと腰が…。
開墾するのは無理
上図は原野ではないものの、少なくとも20年は畑として使われたことがない土地です。冒頭の動画にもあるように普通に耕うんするのは無理です。
前もってシャベルなどで掘り起こしておき、雑草の根を手で丁寧に取り除いてから耕うん機で少しずつ土の塊を砕いていくのならたぶんOKです。
畑は耕せるけれど開墾は無理だね
石などの固い物の場合
小さい石ならほとんどはじいてしまいますが、おおむねこぶし大程度の石になると状況は異なります。
上の画像は使い始めて2日目のことでした。運転開始数分後に突然ガチッ、ウイーンと音がしてストップしてしまいました。こりゃヤバイとチェックしたところこぶし大の石に刃ががっしりと噛み込んでいました。
今まで何度か耕作していた畑で、石は2、30cm程度の深さのところにありました。
鍬だけで耕していると見逃すことがあり得ますが、耕うん機の回転刃には捕まってしまいました。
刃を逆方向に回して石を取ろうとしましたが全く動きません。それではと刃を取り外すためにピンを抜き軸を外そうとしたのですが、食い込んだ石からの反力で軸が押さえつけられて抜けないのです。
仕方がないので小さなハンマーで石をコンコンと何度か軽く叩いたところ、ぽろっと刃から外れ落ち、変形したように見えた刃も元の形に戻りました。
耕うん後は小石を発見しやすい
鍬1本で耕していると、ただの土の塊なのか小石なのか見ただけでは意外に分からないものです。
土の塊を手で一つ一つ潰して初めて小石だと分かるのが普通です。
耕うん機ですと土の塊は粉々に崩してくれますが、小石はその大きさのまま地面の上に残ります。(下の写真参照)
こうして小石を見つけては除去することを繰り返すことによって、やがて石の無い畑になっていくことでしょう。
肥料を丁寧に混ぜてくれる
話が前後してしまいますが、畑に投入した堆肥やその他の肥料を漉き込んだり混ぜたりというのは、鍬1本ではなかなか大変です。
こんな時にもこの耕うん機は大活躍します。きめ細かく土壌と混ぜ合わせてくれます。
使ってみた感想
思い立ったらすぐに作業ができる
使用頻度は多くはない(毎日耕すわけではないから)のですが、思い立ったらすぐに作業に取り掛かることが出来ます。
まあ、電源ケーブルを伸ばしたりするのがちょっと面倒かもしれませんが、耕うん機本体は軽いのでひょいと持ち上げ、畑に移動することが出来ます。
とにかく使ってみて初めて分かる手軽さでした。もっと早くから使えば良かったと思っています。
作業が終わったら刃に付いた土をブラシなどで簡単に取り除く程度で構いません。
畝立て機などは付けられない
畝立て機を付けられないかという質問を見たことがあります。
確かに刃は前進する方向に回るので多少は前に進みますが、自力走行するようには作られてなく、また取り付けられるような構造になっていませんので無理です。
電源ケーブルの取り回し
誤って電源コードを耕うん刃で切断しないよう注意してください。特に後進する時には片手でコードを捌く必要があります。
取説では腰に市販のカラビナを付けてそこにコードを引っ掛けるようにすれば邪魔にならないようなことが書いてあります。
小さいカラビナは外すときに難儀します。使うのなら大きめのものが良いです。
作業時間そのものが短いので、私はコードを肩にかけて使っています。
ネックは近くに100ボルトの電源が必要なこと
発電機や仮設電源などは使用しないようにと取説には書いてあります。
流れる電流は8.2Aとありますが始動時には一時的にもっと多くの電量が流れるでしょうから止めた方が良いでしょうね。取説の指示に従いましょう。
家から離れた市民農園などでは使えないな
延長コードは最大20mまでとあります。
私は付属の10mコードに20mのドラム式コードをつなぎ合計30メートルで使っています。
でも電圧降下で動かないなどということもなく、今のところ問題はありません。
ただしドラム式を使う場合はコードは全部引き出して使用することが大事です。
(巻いたままですとそこに熱がこもり絶縁体の被覆が溶けることがあります)
(おわり)