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悲しきマングース

なぜ日本にマングースがいる?

♪~インドはデカン高原を~遠く離れて来たけれど~(^^♪

という歌で知られるマングース。まだ学生時代の昭和50年(1975年)の夏、1学年下の友人の帰省に合わせて他の友人と共に徳之島を訪ねたときのことでした。

ハブとマングースの決闘という見世物があって、初めてハブはもちろんのこと、マングースとご対面したのです。

そしてハブ退治のためにわざわざインドから連れてこられたというのもこの時初めて知ったのでした。

奄美大島ではイタチを導入

沖縄・奄美諸島では、かつてハブによる咬傷被害者が後を絶たず、沖縄がマングースの導入を始めたのは1910年。

奄美大島では2500匹以上のイタチを放したことがあったが、なんと全滅してしまったというのです。

沖縄に倣い奄美でもマングースを。しかし…。

 そのため奄美大島でも1979年に沖縄同様マングースを導入したのですが、ハブは夜行性、マングースは昼行性ということもあり、両者が遭遇することはめったになかったようです。

もし出会ったとしても、マングースが敢えて危険を冒してハブを食べる必要もなく、この島の天然記念物であるアマミノクロウサギやトゲネズミ、ケナガネズミなどが数多く犠牲になったようです。

そりゃあマングースだってよりおいしいほうを食べるのは当然のことでしょう。

マングースの駆除へ方向転換

マングースは役に立ったのか

 マングースがハブの駆除には役に立っていないことを受けて、国が20年ほど前からワナや薬剤を練りこんだ餌などによる駆除に乗り出し、ピーク時にはおよそ1万匹いたとされるマングースがその後減少し、2019年度以降捕獲ゼロの状態が続いているそうです。

マングースとハブ

ハブとマングースの決闘からハブのショーへ転換

 徳之島訪問から34年以上たった2009年から3年間、私は沖縄に単身赴任していましたが、ヤンバルクイナがマングースから被害を受けたというような話は聞いても、ハブとマングースの決闘についての話は聞かなかったように思います。

 沖縄本島の南部に沖縄ワールドという観光施設があります。単身赴任中にここでハブのショーを見ましたが、マングースは記憶にありません。

観光地に住んでいてそうなのですから、そのようなショーはもう無くなっていたのでしょう。動物愛護法の成立もあり、他の似たようなショーも姿を消したのかもしれませんね。

マングースに代わって増えてきた脅威

対策によりアマミノクロウサギの数は徐々に増えているのですが、問題はマングースに代わって増えてきたものがあります。

それがノネコ(飼い猫が捨てられ「野良猫」となり、それらが野生化したもの)で、アマミノクロウサギの脅威となっています。

奄美市では2018年度からノネコ管理計画を策定し、飼い猫の屋内飼育の徹底、野良猫の去勢推進を図っているとのことです。

2024年9月には「マングース根絶宣言」か

朝日新聞デジタル版によれば、5年以上マングースの捕獲がゼロであることから2024年9月にも「根絶宣言」が出される見通しとなっています。

  そもそも奄美大島ではハブは生態系のトップに君臨していて、アマミノクロウサギはハブの穴に住んでいるという話も聞いたことがあります。

長年の間に培われた安定した生態系によそ者が侵入してきて平和を乱してしまったのでしょうか。

  このマングース、10年くらい前から鹿児島市や薩摩川内市でも目撃情報があるのですが、県本土の低気温に適応できず、その後生存できなかったのではないかと言われています。

人間の勝手で連れてこられて今更害獣扱いされても困りますよね。彼らの嘆きをぜひ聴いてみたいものです。

(おわり)

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